WordPressのプラグイン「Advanced Editor Tool(旧TinyMCE Advance)(以下:TinyMCE)」で、Tableに初期のCSSクラスをつけておきたいことってありませんか?
また、「このTableはSP時に段落ちさせたくない」「このTableは複雑で、SP時に見栄えが悪いから横スクロールにしておきたい」なんてこともありますよね。
その場合、Tableに新たにCSSクラスを付与する必要が出ててくるので、TinyMCE側でTableのCSSクラスが選択できればすごくいいと思いませんか?
今回は、TinyMCEの初期CSSクラスの設定と、CSSクラスの切り替え機能を実装していきましょう。
# この記事で解決すること
- TinyMCEのTableの初期CSSクラスを設定できる
- TinyMCEのTableのCSSクラスが選択できるようになる
- TinyMCEのTableが横スクロールできるようになる(おまけ参照)
前提
- Advanced Editor Tool(旧TinyMCE Advance)のインストール
- Classic EditorのインストールもしくはClassicエディタの環境
※新エディタは何もしなくてもCSSクラスが指定できるのでスルーします
フォルダ構成
- theme_name
- js
- tinymce-table-sp.js
- functions.php
- style.css
- js
手順
- phpの処理
- スクロールTableの実装(おまけ)
- jsの作成
- jsの読み込み
- cssの設定
phpの処理
functions.php
add_filter('tiny_mce_before_init', 'my_mce_table_options');
function my_mce_table_options( $init ) {
// 初期Table classの準備
$default_table_class = 'table';
// 選択できるclassの設定
$table_class_list = array(
array(
'title' => '初期設定',
'value' => $default_table_class
),
array(
'title' => 'スクロール', // 表示名
'value' => 'table-scroll' // CSSクラス名
),
);
// 初期Table classの設定
$table_default_attributes = array(
'class' => $default_table_class,
);
// 設定をTinyMCEに送る
$init['table_class_list'] = json_encode($table_class_list); // class選択設定
$init['table_default_attributes'] = json_encode($table_default_attributes); // 初期class設定
return $init;
}
TinyMCEの新たな設定を作成し、tiny_mce_before_init
に対してfilterフックをかけています。
上記の設定では、「初期設定」と「スクロール」からTableのCSSクラスを選択できます。
変更する箇所は5行目のclassと、13行目~16行目の選択できるclassの設定のみです。
更に選択できるCSSクラスを追加したい場合は、16行目以降に新たな配列を追加してください。
今回の本題はこれで完了です。
スクロールTableの実装(おまけ)
さて、本題は完了しましたが、お気付きの通りtableにCSSクラスを付与しただけで横スクロールしてくれるほどTableは優しくありません。
Tableを横スクロールさせるにはTableタグの外側にWrapperが必要となるのですが、実装するためにはJsを書く必要があります。
また、CSSも設定する必要があります。
では実装していきましょう。
jsの作成
tinymce-table-sp.js
window.addEventListener('load', () => {
if (document.querySelector('.table-scroll')) {
var target = document.querySelectorAll('.table-scroll');
target.forEach(function (el) {
el.outerHTML = "<div class='table-scroll__wrap'>" + el.outerHTML + "</div>";
})
}
});
1行目のaddEventListener
をload
に対してかけていますが、iOS Safariのバグを回避できるようであればDOMContentLoaded
が良いでしょう。
2行目は.table-scroll
がdocument
にない場合は処理しないでほしいのでif
分岐しています。
見つかった.table-scroll
を.table-scroll__wrap
で囲ってくださいとう構文ですね。
これで下準備完了です。
jsの読み込み
functions.php
add_action( 'wp_enqueue_scripts', 'tableSpScript' );
function tableSpScript() {
wp_enqueue_script(
'tableSp_script',
get_template_directory_uri().'/js/tinymce-table-sp.js',
array()
);
}
子テーマの場合は5行目のget_template_directory_uri()
をget_stylesheet_directory_uri()
に変更してください。
これでjs側の処理が完了です。
cssの設定
style.css
.table-scroll {
th,
td {
word-break: keep-all;
white-space: nowrap;
}
&__wrap {
overflow-x: auto;
&::-webkit-scrollbar {
height: 5px;
}
&::-webkit-scrollbar-track {
background: #F1F1F1;
}
&::-webkit-scrollbar-thumb {
background: #BCBCBC;
}
}
}
9-17行目
スクロールバーの設定なので必須ではありませんが、あったほうがきれいに見えます。
最低限だけ書いていますので、良いように肉付けしてください。
これで横スクロールしてくれるTableの実装が完了です!
# caution
iOSでスクロールバーが初期段階で表示されない問題がありますが、iOS側の問題でcssでは解決不可能です。
最後に
TinyMCEのTableの初期クラス設定や、クラス選択のところまでは思いの外簡単に実装できることがわかっていただけたのではないでしょうか?
これがあるのとないのでは、お客様への説明の手間や満足度がかなり変わってきます。
ない場合は、「ビジュアルとテキストがあって、テキストの部分を開いて、目的の<table>まで行ってもらってclassを…」。
まあ理解できるお客様の方が珍しいでしょうね。
今回はTableのクラスの部分だけですが、TinyMCEは色々と設定できることがありますので、追々記事にしていこうかと思います。
では皆様よいWPライフを!